ご覧いただきありがとうございます。遅ればせながら、当サイト管理人の素性についてお話しします。
これまでしてきたこと(活動来歴)

日本人向けに海外情報を提供
私には下記3つの特徴があります。
- 本業はライターとしてWeb記事制作
- 大学時代には英語を4年間専攻
- 後天性のビジュアルスノウ症候群(視界砂嵐症候群、以下ビジュアルスノウ)
これらの知見・体験を活かし、これまでビジュアルスノウに関する情報を多角的にリサーチし、客観的な情報と体験談を織り交ぜて発信してきました。
海外研究チームと日本研究者の橋渡し
上記以外に行ったことは、世界最大の海外ビジュアルスノウ研究チーム(VSI:Visual Snow Initiative)と日本研究者の橋渡しです。
2021年6月ごろまでは、海外研究チームと日本研究者の接点がなく、(海外論文を参考にしつつも)日本は独立した状態でビジュアルスノウの研究を行っていることがうかがえました。
一般人の私からその様子がうかがえた理由は、VSIの発信する情報と日本の研究者の方々が眼科ホームページや論文で発表する内容に非常に温度差を感じたためです。
VSIはYoutubeや公式サイトで日々研究の最新情報を発信している一方で、日本の研究者の方々は数年前の海外論文をもとに考察記事や論文を書かれていたのです。
そこで当方がVSIに「日本の研究チームとの接点はあるのか」と確認をしたところ「接点がまったくない」との返答がきました。合わせて、「もし可能であれば、提携を望むのか」も確認。その結果、彼らが強く提携を望んでいることが判明しました。
これを受け、私は日本で研究に努めてくださっている数少ない研究者、清澤眼科医院 清澤先生に連絡を試み、提携の意思を確認しました。
その結果は、快諾。双方に提携の意思を探るというささいな行動ではありましたが、この出来事を通して、私は海外研究チームと日本研究者の橋渡しにいたったのです。仲介後のメールでは、VSIが各国の研究者の連絡先を清澤先生に開示し、日本チームが必要に応じて連絡をとれるようになりました。
Visual Snow Syndrome Doctors ; Specialists | Visual Snow Initiative
(2021年6月にVSIホームページに”Japan”が追加)
ビジュアルスノウシンドロームに新たな光を当てる | 清澤眼科医院
(仲介を受けての清澤先生のご所感)
病状と苦しみ

病状
私は2019年8月にビジュアルスノウの初期症状(砂嵐)が表れました。その後、時間の経過とともに複数の症状が併発し、一部の症状(主に残像)がこれまで酷く悪化を続けてきました。
ビジュアルスノウには総計24種類の症状がありますが、私はそのなかで下記の症状を持ち合わせています。
- 反復視(物体の残像が見える)
- 飛蚊症
- 耳鳴り
- 砂嵐
- 片頭痛
※いずれもビジュアルスノウを発症後に生じた、
他の病気由来ではない、当障害特有の症状
苦しみ
この障害を患い、体験してきたことは絶望や恐怖、孤独です。
エピソード1:医師に診断されることすらない
ビジュアルスノウを発症後、小さな病院・大きな病院のいずれも訪れ、症状を伝えましたが、眼科医に症状を理解してもらえることはありませんでした。
その後ネットで清澤眼科医院の記事を見つけ、自分がビジュアルスノウであることを知れましたが、治療がないだけでなく理解すらもされない状況に、形容しがたい虚しさを感じてきました。
エピソード2:奪われた”美しさ”
当障害を患ってから、私の視界はグチャグチャになりました。日中に外にでれば、車や水面、その他物体の反射光が目に突き刺さり、それらの残像が色濃く生じます。
夜中には、砂嵐や残像の度合いが強まり、とくに暗闇のなかでのまばゆいLEDライトなどの光は視界をカオスへと導きます。
眼がまだ健康だったときは、日常の何気ない風景に心をときめかせるほど”景色”が好きで、素人ながらパシャパシャと写真をとり、その美しさを鑑賞していました。とりわけ暗闇にうつるLEDのまばゆい光が大好きでした。
今では写真を撮ることがほとんどなくなり、率直に言ってしまえば景色の鑑賞ができなくなりました。そして今一番嫌いな光景は、「夜景」です……私生活のなかでもっとも視界がグチャグチャになるからです。
ビジュアルスノウの諸症状は私の視界から”美しさ”という概念を奪い去ったのです。
ビジュアルスノウ広報活動に携わるようになったキッカケ

ビジュアルスノウ発症から1年後、2020年9月2日にある転機が訪れます。VSIからビッグニュースが報じられたのです。
このニュースでは、二人の医師が患者の治療に成功し、症状の緩和ができたことが報じられました。
この報道に私は歓喜し、(喜びをともに感じるため)Twitterで他の方の感想も見てみることにしました。しかし、3日がたっても、1週間がたっても、かのビッグニュースについてのつぶやきを一つも見かけることはありませんでした。代わりにあったのは、今まで通りのどんよりとしたムード……
この際にVSIの情報を受け取っていない人々がいることに気が付いたのです。
この状況を受け、翻訳情報を発信する‥‥という選択を思いつきましたが、私のなかにしばらくの間よぎっていたのは下記の気持ちや願望でした。
・何かしらの粗を探し、グチグチと言ってくる人がいたら嫌だな
・時間的にも経済的にも余裕がない状態でボランティアなんてやってられない!!
・別の誰かがやってくれる
しかし、2週間、3週間と経っても治療法発見のニュースについて言及している人は皆無でした。SNSの呟きや医師・患者さんの個人ブログ、研究機関のニュースサイトを見ても、依然として「治療法はまだ発見されていない」との文言が記されていました。
時間が経つにつれ、「この希望の持てるニュースを知らずに苦しんでいる人々がいるかもしれない」、そういった気持ちがふつふつと沸き上がっていきました。最終的には「面倒くさいけど、このニュースだけは翻訳・発信してみよう」といった心情へと変わりました。
情報の正確性に努めるため、わからないことは徹底的にリサーチし、プロ監修の翻訳サイトで翻訳について勉強をしつつも、該当ニュースの翻訳文を投稿しました。
すると……多くの方から反響をいただけたのです。これをキッカケに、合間の時間を縫って、VSIからの情報を不定期で発信していくようになり、現在の状況へと至ります。
現状とビジョン
上述した通り、アメリカの2人の医師により、治療法(対症療法)が発見されました。
ただし楽観視できる状況ではありません。
- 発見された治療法は治験段階であり、正式に医学的な処置として認められたわけではない
- 海外・日本の医学界での認知度がまだまだ非常に低く、現場での普及までに未知数の時間がかかる
- 一つの治療法が見つかっただけであり、別の方法も模索し続ける必要がある
- 病気の原因や機械を用いた診断方法などは確立していない
- 今後の発展のための研究資金が足りていない など
課題は山積みの状況であり、日本での治療法普及の見通しがまったく立っていないのです。
かのビッグニュースは確かに希望が持てますが、では数年後・数十年後のいつかに訪れるその日まで、24時間365日、生活と精神を蝕む当障害に耐えられるのかといえば、決してそんなことはありません。悲惨な視界は悲惨なまま、異常な身体は異常なまま、奪われたものは奪われたままなのです。
実際、2021年7月10日にはある悲劇が起きました。患者さんの一人、SRさんが精神的苦痛により飛び降り自殺配信をTwitterライブにて決行してしまったのです……
SRさんはビジュアルスノウという病気でした。
高円寺にいると言っていて、実際18時頃にこのようにツイートされているので本当に飛び降り自殺したと思います。止められませんでした。
ビジュアルスノウは認知度はとても低いですが恐ろしい病気です。
日本でも研究が進んでほしいです。 https://t.co/4am3TMlUhI pic.twitter.com/SFLXVGJReU— ふふふふふ (@73U9qoCslV6koYk) July 10, 2021
他の多くの患者さんも日々精神的な苦痛をTwitterにて吐露していますし、私も同様の心情をいだくことがあります。結局のところ、治療法が発見されたところで、それを受けられなければ、私たちの生活はほとんど変わらないのです。
このため今の私たちに必要なことは、一刻も早い治療法の普及。私はそのためにできることを模索し、今後もかすかな光がさす暗闇のなかを走り続けていく予定です。
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