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「ビジュアルスノウの原因は皆一緒?結局、どこに異常があるの?」について教授が回答

「ビジュアルスノウ(視界砂嵐症候群)の原因って、結局どこにあるの?」「脳という噂を聞いたけれどあれは本当?でもPET(陽電子放射断層撮影)で検査したけど異常が無かった……」「人それぞれ発症の原因が違う気がする……」と気になっている方は多いのではないでしょうか。

今回はモナシュ大学(オーストラリアの大学)の眼球神経(眼球運動)研究室長および教授のオーウェン・ホワイト氏がYoutubeチャンネル『Visual Snow Initiative』の動画内にて述べたご意見をご紹介します。

ビジュアルスノウ(視界砂嵐症候群)の根本的な原因

タイトル:VSSの根本的な原因はすべての人に共通しているのでしょうか?

この質問に答えるためには、まずは視聴者の皆さんがネットワークの機能を理解する必要があるでしょう。交通網を例にあげてみましょう。例えばメルボルンのような都市、人口500万~600万人の都市では、複雑な公共交通機関が存在します。

そしてそこでは、バスや電車などあらゆる公共交通機関と街ゆく人々が相互に影響しあっています。

誰が時間通りに駅に到着するか、各公共機関が時間通りに駅に到着するかどうかによって、乗り降りする人や到着時間、出発時間が左右されます。そして、すべての公共交通機関が同時に交わる、交通網の中心にある「相互的な機能」にも依存します。つまり交通網とは複雑な要素によって秩序が保たれているものなのです。

このため交通網のどこかに異常が発生すると、仕事に行けない人や遅刻する人が発生してしまいます。

これはビジュアルスノウにも同じことが言えます。当障害は現在の研究段階では出力の問題・異常として認識されています。

入力は同じですが、途中でどのように処理されているのか、どこから異常が発生しているのかはわからないのです。

このため「VSSの根本的な原因は誰にでもあると思いますか?」という質問の答えは「いいえ」です。すべての患者さんの根本的な原因が同じではあるとは思いません。

同じ部位に機能障害がある患者さんはたくさんいらっしゃるでしょう。しかしそれは狭い範囲の機能障害ではなく、脳の広大なネットワークに機能障害が起きていると捉えるべきです。

中盤にでてくる「相互的な機能」とは、各公共交通機関が入り乱れて、渋滞を起こさないよう人為的に整備されている状態を指しているのだと考えられます。
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